knock on wood

日々の記録帳

宮木あや子の「春狂い」を読書中。最初、これは好みじゃなかったかも?と思ったのが嘘のように面白く読んでいます。美しい少女と彼女に魅入られた人々の物語。連作という形で短編が続いていくんだけど、各話にタイトルはなくナンバリングがされているだけなので、読み進めるまで誰を軸にした話なのかがわからない。でも、これは●●のことだ!とわかった瞬間の嬉しさったらないの。決して気持ちのいい話ではないので好みのわかれる本だと思うけど、『狂気の連鎖』というようなお話が好きな人にはおすすめしたい。
著者の作品と出会ったのは割と最近のこと。はじめて読んだ「太陽の庭」も、その過去物語にあたる「雨の塔」も面白かったけど、一番評判のよい(らしい)「花宵道中」はまだ未読。吉原や花魁がテーマと聞いて、二の足踏んでる感じ。こういうの読まず嫌いっていうのかな。

※追記:最後がなんか……。なんだろう、死を選んだ理由が私はすっきりしないというか。それは私の考え方のせいかもしれないけど、死ななくてもいいのに、むしろいけないと思うこと、汚いことをしろよ!みたいな気持ちになった。グチャグチャになっちゃえばいいじゃん。自分の気持ち出せばいいじゃん。と思うけども、その「自分の思い」の表し方が死だったのかなぁ。あとミツコのことよくわからなかった。

春狂い

春狂い