knock on wood

日々の記録帳

図書館にて劇団ひとりさんの「陰日向に咲く」を借りました。この本、いつ予約したのか思い出せません。「東京タワー」より前?後?自分の番が来る前に文庫になっちゃうんじゃないの?と思いつつ予約したわけですが、既に記憶を飛ばした今となってみると本当に読みたかったのかどうかすら思い出せません。ヒット作は時期を逃すとありがたみが薄れるような気がする。もしくは順番待ちなんて必要なくなった頃まで待った方が楽しめるのかも。そうそう、前回読んだ中島らもさんの奥さんの本「らも・中島らもとの35年」ですが、WEBの感想の多くは愛人や浮気やセックスなどに触れたものだし、私もそれを読んで興味を持った一人なのだけど実際に読んでみたら「!」と思った箇所は全く違うところでした。
私が「これって、これって……ちょっと……!」と思い、これってベタ惚れじゃんか!と微笑ましいような羨ましいような気持ちになったのは、結婚前の二人のやりとりでした。ジャズ喫茶でのデートで二人は大音量の中、会話ではなく筆談をするわけなんだけど、その内容がもうね青春なんだよー!好きとか惚れてるとかあいしてるとか、ひとつも伝えていないのにひとつも書かれていないのに、伝わってきすぎて読んでる方が辛い。この恋が実らなかったら悲しすぎるというくらいに、奥さんに惚れているんだもん。結婚後はいろいろあったようで、中島らもさんの行動は「それってちょっとどうなのよ?」的なものが多くなってくるし、もちろん私には中島らもさん本人の気持ちはわからないけど、この人はずっと奥さんに惚れてたんじゃないのかなぁ?と思えてならなかった。友人達とは別のメニューを求めるという食事の話なども、自分だけ特別にしてもらいたい相手が奥さんだったんじゃないの?と感じたし、私がそんなことをされたら逆に惚れてしまうよと思った一冊でした。と同時に筆者はものすごく自分に自信のある人だと思ったのも事実です。惚れられた人の書いた文章ではあると思うから、らもファンの人たちからすれば、別にどうでもいいことかもしれないなぁ。

らも 中島らもとの三十五年

らも 中島らもとの三十五年