knock on wood

日々の記録帳

花に染まる

昔読んだ本で花びらで爪を染めるシーンがあった。なんとなく絵が浮かんでくるので少女マンガだったかもしれない。どういった経緯でそんなシーンに繋がるのか、そもそもどんなストーリーだったか、爪を染めるのは少女なのか、大人の女の人なのか、何一つ思い出せないのに、花びらで爪を染めるという行為だけ強烈に焼き付いていて、多分、その行為に憧れた気持ちだけが強く残ったのだと思う。
それから何十年もたって、大人になった私は、ある日「紅い爪」という話を書いたんです。。紅い爪と言いつつもそれは染めた爪そのものではなく、強く噛まれた足の指が赤くなっていて、それが紅い爪のように見える、という話。好きな人のつま先を赤く染める。そして、彼女が自分の爪先を見る度にその時のことを思い出したらいいと思う。足先から赤みが引いて元の肌色に戻ってしまう前にまた会いたいと願う男の話で、文章の出来は別として内容はすごく気に入っていました。話は別としても紅い爪っていいなと当時は思ってたし。
ただ今は、紅い爪よりもごくごく薄い乳白色のような、少し曇ったようなそんな色の爪にしてみたいと思っていて、時々白っぽいネイルを買っては試して。
でも最近、透明のネイルを二度塗りした時の色が、想像している色に近い気がしています。
でもちょっといいよね、花びらで染めるの。物語っぼくて。