knock on wood

日々の記録帳

少し前の話。
職場でAさんという男の人がセクハラを理由に解雇されました。私は多数の派遣社員の同僚の一人でしかないので、解雇の本当の理由がセクハラであったのかわかりませんが、きっかけとなったことは確かです。女性三名がAさんのセクハラについて上司に訴えた翌日、Aさんはあっさりと解雇されました。Aさんはそれ以外にも前々から遅刻など態度が悪く、上司はAさんのことを苦々しく思っていたようであったので、今回の女性三名の訴えは「渡りに船」だったのではないかというのが私の見解です。
さてAさんが本当にセクハラをしていたのかというと、周囲から見ればそれはYESで、多分、本人の意見はNOなのだと思うのです。外国暮らしが長いということもあり、少し風変わりな方ではありました。スキンシップと呼ぶような、ちょっと肩を叩くような仕草もよく見受けられましたし、身体へのタッチは確かにありました。が、ご本人は悪意はなかったようです。悪意がなければ良いのかというと、そうではありません。実際、私を含め、多くの女性たちは身体に触れられることを不快と感じたとき、「Aさん、それセクハラですよ」「セクハラになりますよ」と声をあげていました。そのたび、Aさんは驚いた顔をしていましたが、私たちの意見を無視することなく、二度と同じことはしてきませんでした。言葉についても同様です。言われて嫌なことは誰にでもあります。しかもそれが顔や身体など目に見える部分をからかわれるとなれば、不快に感じる女性は多いはずです。その時も数名の女性ははっきりと「そういうことを言われるのは不快だ」と「セクハラです」と本人に言っていました。中にははっきり言えない方もいましたが、それらの方は決して笑顔を見せませんでした。そしてAさんは、セクハラだと言われたことに驚きつつも、言動に気をつけるようになったと思います。私自身はもともとAさんのことが苦手で、内心「ざけんなこの野郎!」と思っておりましたので、接触する機会を限りなく少なくし、交わす言葉も単語のみ、というなんとも憎たらしい態度を取っておりましたが、どうしてそこまでしたのかといえば、Aさんという人物が、そこまでしないと気付いてくれない人だったからです。私は今回Aさんが訴えられた状況を見て、少し驚きました。何故かというと、Aさんからのセクハラについて上司に相談に行った女性三人組みは普段Aさんと仲が良く見えていたからです。Aさんのお喋りに笑い、Aさんからのタッチに「やだぁ」と笑い、Aさんからの誘いに乗ってみたり……していたからです。『本当に嫌でした』という彼女たちに、私は嘘でしょう?と思わずにはいられなかったのです。嫌だったの?じゃあどうして電話番号まで教えてるわけ?……気持ちはわからないではないのですが、どんな訴えもうそ臭く感じてしまうのも事実です。
支離滅裂になてきましたが、何が言いたいのかというと、Aさんのしたことはセクハラであり、決して良いことではないのだけど、お互いに意見を言い合えば、Aさんは解雇されることはなかったのではないかということです。少なくともセクハラという理由での解雇はなかったのではないかと。なんというか、自衛も大事だと思うんですよね。
今になっても私はやはりAさんのことが嫌いですし、いなくなってホっとしていたりもするんですが。