knock on wood

日々の記録帳

終点のあの子

久しぶりに一気読みした小説でした。とにかく個人的に大好きなテーマだったので、もうそれだけで半分は満足できているのだけど、お話もとても面白かったな。

女子高が舞台の、連作小説で、登場人物の9割は女の子。カトリック系の一貫教育校に通う主人公の前に現れた個性的な少女。いつしか彼女に惹かれ、妬み、静かに終息してゆく。10代の女の子の無垢さと日々揺れる気持ち、けれどそれを自分では理解できないでもてあましてしまうところなど、ズキっとくるところが多い小説でした。連作になっているので、後々読み進めるうちに「だからあの時この二人はずけずけ物を言い合えてたんだな」とかわかってくるのも楽しかった。

あと小説の中に出てくる地名や電車の路線名など全てごくごく身近なものだったので、それも加点になっているのかな。街の風景や車内の様子を知っていることで、ただの文章がぐんと生きてくる時ってあるし。

最初の数ページでどういう印象を持つかでページをめくる速度は変わってくるけど、この作品の場合だと、高校の入学式への登校途中の主人公に突然声をかけてくる少女が登場するんだけど、彼女に対して、「なにこの子?(変な子)」と思った人は物語に入り込めると思うな。
自分が女子高に通ったことがないせいか、この手のテーマの作品が大好きなんだけど、どうやって探せばいいのかなぁ。少女小説というのも違うようだし、また偶然の出会いを待つしかないのかな。

終点のあの子

終点のあの子