knock on wood

日々の記録帳

感想

最近買った本で、昨日も載せた日曜日の夕刊 (新潮文庫)読み終わりました。
で、感想なんですけど。んーこまった。きっとすごい良書なんだと思うのですが、面白いか面白くないかと聞かれたら、面白いけどグっとこない。週刊誌に連載してただけあって読みやすいんです。スラスラ読めちゃうの。でもね、読んだそばからスルスルーっと、いや違うな、ポロポローっと落っこちていっちゃう感じ。各短編の登場人物は大なり小なり人間ならば誰しも持っているだろう闇の部分を持っていて(闇=大袈裟に言えば)それを自覚し、自分のそんなとこをちょっと嫌だなとも思ってて、話の展開も納得できるものばかりなんだけど、「俺ってこういうとこあんだよね」とか「いいの私、そういうタイプだもん」とか言えたり自覚してたりと、その時点でもう闇じゃないんだよね。どれもこれも誰も彼も優しくてちょっと駄目で、だけどさ、それが俺なんだよ。みたい?例えるならば、日曜日をイメージしたサントリー系のCMを見てる感じ。ああそうか、だから「日曜日の夕刊」なんだ。そーだそーだ、新聞の広告にも似てる。もうちょっと子供が魅力的だったなーと残念に思う作品でした。