knock on wood

日々の記録帳

最近読んだ本

ハニー ビター ハニー (集英社文庫)

ハニー ビター ハニー (集英社文庫)

何を血迷ったのか?と思われそうだけど、なんか表紙を見た時に「こういうのも読んだほうがよいのでは?」と、いきなり思い立った一冊。買ってパラパラとページをめくってみても興味が持てずに数ヶ月ほうっておいたものを、ここ数日でなんとなく読んだ。短編の恋愛小説が9本収録されていて、どれもラストはフェイドアウトしてゆくような、察してくれよ!みたいな感じで終わるものばかり。物語のはじまりも、少しイラっとくるほどに最初にあまり情報が明かされない。少し悲しい恋の話が多く、ラストから想像するシーンもどこか悲しいものが多く、そういう意味では心に残る作品。私がずっと読んできた少女漫画だったら、ここからまだまだ話が発展していくだろう(多分それはハッピーエンドになる)というところで小説は終わる。中に一個すごく好きだな、と思って泣いてしまった作品がひとつ。『ねじれの位置』という、普通の女子大生の女の子と、数学を専攻するちょっと変わった大学院生の男の子の話。何度か繰り返し読みたいくらい好き。この話を読めただけでも買ったかいがありました。

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

人気の湊かなえ作の「少女」を図書館で借りてみました。この表紙がかなり好きで、わくわくして読みましたが、ちょっと思っていた話とは違ったかな。私が思っていたよりもずっと現実的な女の子たちが主人公でした。勝手に超美少女とか、何かすごい秘密があるとか、思いこんでいました。そんなわけで前半は、あまりペースが進まず、あまり合わないかもと思いつつ読み進めたところ、主人公達が夏休みに入ったあたりからは一気に読んでしまいました。ものすごく好みの作品ではないけど、十分面白かったです。同じ作者の「告白」というベストセラーを前に読んだ時も思ったけど、この人は(この人の話は)正しいです。「告白」や「少女」という単語から感じる淫靡さが本編には全く感じられない。私の思い込みもあれだけどもね。やってることは確かにタブーなことや、大きな声で言えないことだけど、その理由はちゃんと大きな声で言えちゃう、みたいなね。その理由が正しいわけでもないんだけど……うーん、私の書いてることはわけがわからないですね。