- 狭小邸宅
Twitterで立て続けに面白いという感想を読み(botまである)、そんなに?と思いながら読みました。確かに勢いがあるし、登場人物に感情移入しやすいし、読みやすいとは思うけど、うーん。私も確かに面白いと思ったけど、そんなに絶賛するほどだろうか?というのが読後の印象。
主人公は不動産会社の営業マン。契約が取れず怒鳴られる日々。ブラック企業?なにそれ、サビ残当たり前でしょ?だってお前仕事で会社に貢献できないんだろ?だったら時間で貢献しろや、てな環境の中、目的も目標も野心もなくただ日々の営業をこなしている。ある日成績不振を理由に店舗異動となり、そこから少しずつ仕事に対する取り組み方が変わってきて…。という感じのストーリーなんだけど、不動産営業の手法や、主人公以上に契約が取れない社員のテレアポの様子などは、その世界を知らない私にはすごくリアルに感じて一喜一憂してしまった。全体的にはサクッと読めて熱くなれる小説だと思うので、絶賛はしないまでも友人知人にはおすすめする一冊です。
- あの女
もう一冊は、これは…私は読みにくかった。現実と虚実との境目があやふやだったり、語り手が明かされておらずラストで知らされるような文体は、実はかなり好きな部類のはずなんだけど、いまいち集中して読めず、最後のネタバラシ的なページを読んでも、『え?よくわかんなかったんだけど』って思ってしまった。作者の作品は、下品なところも含めて面白く読んできたんだけど、これは合いませんでした。残念。いやぁ、ほんとよくわからなかったわぁ。